What is life?

何かwebの記事?で知って話題と聞いて予約。

生物苦手だった私ですが、優しく、易しく書かれた本。絵も写真も一切ない文字だけですが、イメージが膨らんでとっても楽しめました。細胞、遺伝子、自然淘汰による進化、化学としての生命、情報としての生命、5つの視点で生命が語られた後、世界を変える技術について (感染症、iPS細胞、がん治療、など) 語られ、最後が書名と同じタイトルの章「生命とは何か?」。途中、著者の研究についても語られます。

基礎研究についても。
新しい応用にとりかかる場合、生命の働きのさらなる基礎理解と手を取りあって、 前進すべきだ。ノーベル賞を受賞した化学者のジョージ・ポーターは、かつてこう警鐘を鳴らした。「応用科学を養うために基礎科学を飢えさせることは、建物をもっと 高くするために建物の基礎を節約するのと似ている。 大建造物が崩れ落ちるのは時間の問題だ」。
大栗先生の本を読んだ後だけに印象に残りました。理論物理と生物と分野が異なるので、言い分も異なりますが、基礎科学をないがしろにしてはならないというのは、どの分野の科学者研究者も言ってますね。基礎があってこその応用なのだから。

普段の生活と繋がるところがあると一気に親近感が湧く。例えば、

草が緑に見えるのは、このクロロフィルが原因だ。 光のスペクトルの青と赤の部分からエネルギーを吸収し、そのエネルギーを光合成の動力に利用するため、結果として緑の波長を反射するのだ。
おぉ、なるほど!と思わず。
でもなんで緑は吸収できないの? 使う側の特性か? と調べたら、クロロフィルの特性だそうで。
なるほど。
 

人間の寿命はもっと長くなるだろうけど、不老不死は非現実的。そうだよね。安心した。不老不死は夢の技術のように思われてる節があるけど、心理的副作用が大きいんじゃないかと思う。と思うのは、スカイクロラシリーズやWシリーズを読んだ影響だろうな。

遺伝子治療について

目下のところ、遺伝子に基づく治療には、意図せず遺伝子を変えてしまう危険がある。お目当ての遺伝子だけを編集したつもりでも、その遺伝子変異によって、予測が難しく、潜在的な危険をはらんだ、副次的影響が引き起こされるかもしれない。
 
これって色んな事象に対して言える話だ。生命のように複雑な世の中だから。「意図せず変えてしまう危険」のリスクが大きくなければ気にしなくていいんだろうけど、生命に対してはそういうわけにいかないもの。
しかし、遺伝子技術の実験について、人間を使った実験はあり得ないとしても、じゃあ何だったらokなんだろう?て考えると難しいですね。他の動物に対して許される理由は?とか。あぁ、これ考えると深みにはまる予感。
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