知覚力を磨く

「13歳からのアート思考」を本屋でふらっと買ったときに、隣に置いてあって一緒に買ってしまった本。購入は随分前だったと思いますが、やっと読みました。

絵画観察の重要性

いろいろ書かれているけど、全体的にエビデンス弱いなという印象。アートに関心がある科学者の方がそうでない科学者より2.85倍高い確率でノーベル賞受賞してるという報告がある、など、ただ相関があるだけで因果関係はないんじゃないの?という例が多かった。

でも、エビデンスはともかく

現代人の眼は「マルチタスクに心を奪われてそもそも見ていない」「何かを探して期待して見ている」「なんとなくぼーっと見ている」という3つのモードに支配されています。 何の先入観も持たず、眼の前の物事をありのままに理解する「観察」が入る余地がありません。

自分を振り返ると、これは確かにその通りだな、と。観察するときの頭の使い方って他に転用できるのかはよくわからないけど、そういう頭の使い方できるようになっておきたい、と。そう思ったので、「絵画観察は重要」というところには納得しました。

絵画観察トレーニング

絵画観察トレーニングってどうやるの?という話。
まず、美術館にある絵画でなく、インターネットや画集でも何でも良いので、1枚絵を選ぶ。そしてその絵を「何が描かれているのか」を探るように15分間じっくり観察し、自分の解釈を視覚的エビデンスととも書き出す。

絵画をみるときの3つのポイント

1. 十分な観察時間
2. 多くの解釈を生む眼のつけどころ
3. 知覚を歪める要素 (バイアス) の排除

そして一番大事なのは、どうやって観察するのか? → 組織的観察をする。組織的観察の5ステップが丁寧に説明されています。ざっくり言うと、全体図→フォーカルポイント→部分→全体図→周縁部の順で観察/解釈を進める。まずはこの方法で週1,2回絵を観察してみることから始めるのが良いのかな。

リベラルアーツに対する誤解

一番驚いたこと、と言うと言い過ぎだけど…リベラルアーツとは「幅広い教養の取得ではない。本来、知覚を起点とする知的生産のトレーニング体系のこと」だそうです。「教養のために」という言葉が好きでなくて、だからリベラルアーツという言葉も何だか抵抗があったのだけど、「知覚を起点とする知的生産のトレーニング体系」と言われると、俄然魅力的になってくる。

リベラルアーツそのものについて学びたいなと思いました。特に三学 (文法、修辞学、弁証法) について。リベラルアーツそのものに関する本ってあるかな。探してみよう。


13歳からのアート思考を読んだ後のように、美術館に行きたくなりました。「美術館に行きたい」と思いながらもう4か月も経ってしまいました。でも家に画集が何冊もあるし、インターネットで絵画を観ることもできる。美術館に行く時間を取れるまでの間は、家で楽しむのが良いかもしれません。まずは、週に1回15分。

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