frierで知って春先に買ったまま読んでなかった本。図書館で見掛けて借りて読んだ「遅読家のための読書術」に続いて、今度こそ読もうと手に取りました。
大事なのは内容よりも位置付け
それぞれの本に書いてある内容よりも、それぞれの本がどのような位置付けなのか?が大事。「ある本を読むこと」は「ある本を読まないこと」であり、きちんと読むことで詳細に囚われてしまうのでよろしくない。これは一冊の本についても同様で、各章/各ページに書かれていることよりも目次/構成を把握することが大事である。という話。
たしかに、ある事象を学ぶ際、全体像を把握することはとても大事ですね。小説から読書に入ったせいか、私はどうしても一文一文追ってしっかり読んでしまう。これで細部に囚われるから、全体像がよくわからない状態で「あー、なんか面白かった」で終わってしまうんだろうなぁ。読んでいる間はとっても楽しいんだけど、「その後に繋がらない感」はある。
今読んでいる章の位置付け。今読んでいる本の位置付け。きちんと意識しないといけないな、と思いました。
書物において大事なものは書物の外側にある
重要なのは書物についてではなく自分自身について語ること、あるいは書物をつうじて自分自身について語ることである。
書物において大事なものは書物の外側にある。なぜならその大事なものとは書物について語る時間であって、書物はそのための口実ないし方便だからである。ある書物について語るということは、その書物の空間よりもその書物についての言説の時間にかかわっている。
「書物は語るための口実」とまで言い切っちゃうのは言い過ぎではないかと思いますが、読んだ後にほとんど語ることをしていない私のような人間には、これくらいの物言いをしていただいて良かったです。読んだらちゃんと語ろう。
読後のアウトプットの必要性はなんとなく感じていたけど、きちんとできていなかったところ。それじゃいかん!と思わせてくれた本でした。今後はきちんとここにアウトプットしよう。(たぶん)
そうそう、あと、訳者あとがきがとても面白かった。大浦康介さんの本も読んでみたいな。