読みっ放しだった本

いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学随分前に図書館で予約してやっと順番がまわってきた本。そしてもう2ヶ月近く前(3/18)に読み終えたのですが、何も書き残してなかったので今更ながら記事にしてみる。
もう記憶が薄れつつありますが…。

タイトルになっている「欠乏」が大きなキーワードではありますが、他に、集中、トンネリング、処理能力、スラック、という言葉たちもキーワード。

  • 締切が近くなると一気に仕事が進むのは、時間の欠乏により能力が高まるということ。
  • ただし、他のことに関しては判断力が下がる。その仕事以外のことに関してはとても敏感になるが、他のことに関して判断力が下がる(トンネリング)。
    だから、優先度の低い仕事を後回しにしたり、食事を抜いたり、家族との団欒の時間を削ったりして、締切間近の仕事のために時間をさく。
  • これは処理能力の負荷で説明できる。つまり、締切間近の仕事で処理能力を使い切ってしまうと、他のことに対して判断力が下がる。
  • 欠乏によりある一点において能力は高まるが、他のことについては間違いを招く。余裕(スラック)が大事。

とかとか。

そして、耳が痛い話がたくさん。例えば。

あなたはプロジェクトを仕上げるために熱心に仕事をするが、遅れをとっていて、生活はみじめで、
二度とこんなことはしないと誓う。締め切りが過ぎるとようやくひと息つける。
次の締め切りは数週間後だ。ありがたいことに、これでリラックスできる。
二~三週間後、あなたは時間がどこに消えたのかと不思議に思う。再び半狂乱で時間と闘う。
露天商の欠乏と同様、あなたの欠乏は比較的豊かだった期間に犯したまちがいから生まれているのだ。

あるある過ぎる。

スラックと言われると、チャットアプリしか思い付かないですが、余裕のこと。旅行の荷造りを終えたけど、うっかり余ってしまった隙間のこと。具体的には、

やりたいことがたくさんあって、そのために時間がたりないにもかかわらず、
万が一予想外のことが起こった場合に備えて、例えば月曜と水曜の午後三時から四時までのスケジュールを
空けておくべきなのか? 実際のところ、そうするべきだ。

こういうこと。
一見無駄なスラック。けど、本当の無駄と有益なスラックを見分けるのは難しい。
優秀なアシスタントのお陰である人の仕事が捗っていたが、そのアシスタントのスケジュールを見ると結構空き時間がある。というわけで、別の人のアシストも兼任したら破綻した、みたいな話が載ってたような。

お金でも時間でも、欠乏している人は常にいっぱいいっぱいで。そのことで処理能力を使い切ってる状態。
だから金銭ストレスのある人の禁煙の成功率が低かったりする。
(この話は本当に納得がいった。低収入の人ほど煙草なんてお金のかかることやめるべきなのに、何でやめないんだろう?と不思議でしょうがなかった)
そして欠乏状態だと本当に目の前のことしか見えなくなって、近視眼的になる。
だから借金を繰り返すし、耐久性の高い物を買った方が結局安上がりなのに耐久性の低い安物を買ってしまう。

同じ人でも欠乏してるときと余裕があるときがあって。
欠乏しているときは判断能力が落ちるから、余裕があるときに先に判断してしまって、欠乏して判断力が落ちたときに間違いを犯さないようにしておく仕組みを作っておくのが大事。トンネリングを起こす前に先手を打っておく。
例えば、スポーツクラブの会費を払ってしまうとか、将来給料が上がったらその分積立預金する契約をするとか。


そんな話でした。
色んなエピソードが載っててとっても面白い本でした。結構厚いけど。
とりとめもなく書き綴ってしまいましたが、

  • スラックは必要
  • トンネリングを起こす前に先手を打つ
  • 「欠乏は往々にして豊かさがもとで始まることを覚えておくべきだ。締め切り直前のピンチは、その前の数週間、無駄に使われたたくさんの時間に端を発していることが多い」

このあたりを心に止めてこうと思います。
いつかまた読み返したいけど、図書館で順番待って借りた本だし、もう読むことはないかなぁ。

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