斜陽

斜陽 (新潮文庫)なにも最も寒い時間帯に通学することはないだろう…と気付き,早朝出勤はやめました.気温が上がるまでは家でやって,昼頃に研究室へ移動すれば良い.リモートって素晴らしい.数ヶ月前から研究室の滞在時間を記録してるけど,これって何も意味しないんですよね….だって家にいても研究室のサーバにSSHして,普通に色んなことができてしまう.良いんだか悪いんだか.

次に読む本がない,と思いきや,まだ読んでない本のストックがありました.古典も良い.「有名な作品」てタイトルだけは知ってるのが沢山あって,やっぱり読んでみたい.クラシック音楽もそうだけど有名な作品は有名なだけあるのです.良い曲が多い.良い本が多いだろう(まだそんなに読んでないからわからない).「我輩は猫である」とかも読んでみたい.実は読んでない.で,斜陽です.

美しい夕日のように物悲しい話だった.切ない,というか.なんてマッチしたタイトルなんだろう,斜陽って.想い人に手紙を書き,返事がなくてもまた手紙書いて,逢いに行く和子は恐しい.しかも「〜に逢いに行く」でなく「〜と逢いに行く」と書いている.助詞一文字の違いによる影響をこんなに感じたことはない.
毎日女と一緒に飲んだくれた人が居酒屋で支払うのを見て

  一万円。それだけあれば、電球がいくつ変えるだろう。私だって、それだけあれば、
一年らくに暮せるのだ。
ああ、何かこの人たちは、間違っている。しかし、この人たちも、私の恋の場合と同
じように、こうでもしなければ、生きて行かれないのかもしれない。人はこの世の中に
生れてきた以上は、どうしても行き切らなければいけないものならば、この人達のこの
生き切るための姿も、憎むべきではないのかもしれぬ。

と思う和子.傍からみたら間違いでもその人にとっては必要なことってある.これがないと,これをしないと生きることに耐えられない.
貴族の生活が気品が合わなくて,貴族であることを捨て庶民(というのかな?)として生きようとしてもなりきれない.どちらにも属せない生き辛さ.
他にも沢山夕日のように切なかった.遺書はちょっと泣きそうになりました.

古い作品はちょっと教科書読んでいるような気分になるけど別に気にしない.
本が古くて古書の香りが魅惑的,とお風呂で読んでるときに思いました.不快でない古い匂いってのもあるんですね.

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