見える化

先週末11日(土)に日本橋ライフサイエンスハブで開催された、理研主催のシンポジウム「見える化シンポジウム2017 ~シミュレーションの価値~」に行ってきました。

  • 開会挨拶
    宇川 彰(理化学研究所計算科学研究機構 副機構長)
  • 来賓挨拶
    工藤 雄之(文部科学省 計算科学技術推進室 室長)
  • 課題提起「テレビでのシミュレーションCG」 
    石戸 功一(㈱NHKエデュケーショナル科学健康部 シニアプロデューサー)
  • 課題提起「ケイサン ブッシツ カガク」 
    藤堂 眞治(東京大学大学院理学系研究科 准教授)
  • 講演「シミュレーションの正体」
    小阪 淳(美術家)
    片桐 暁(コピーライター/クリエーティブディレクター)
  • 講演「シミュレーションは科学研究のツールなのか」
    吉戸 智明(理化学研究所 計算科学研究推進室)
  • 講演「社会から見た『シミュレーションの価値』」
    鶴田 宏樹(神戸大学学術・産業イノベーション創造本部/神戸大学大学院工学研究科 道場「未来社会創造研究会」)
    祗園 景子(神戸大学大学院工学研究科 道場「未来社会創造研究会」)
  • 特別講演「サイエンスをどう社会に伝えるか」
    竹内 薫(サイエンス作家)
  • パネルディスカッション「『シミュレーションの価値』を伝える!」
    パネリスト:工藤雄之、石戸功一、藤堂眞治、小阪淳、吉戸智明、祗園景子
    モデレータ:鶴田宏樹

「見える化」という言葉はあまり好きではないのですが(「可視化」でいいじゃんと思っている)、シミュレーションの話をいろいろ聞けそうで面白そうなので行ってみました。シミュレーションでこんなことできるよ!ていう話を聞けると期待していたのですが、どちらかというと科学コミュニケーションの話が主でした。「シミュレーションの価値」そのものよりも「シミュレーションの価値」を世間の人たちに知ってもらわないといけない、そのためにはどうしていくべきか?という話。
まぁ、演題をよく見るとそういうテーマだってわかるんですけどね。
というわけで期待と違う話を聞くことになってしまったわけですが、内容としては大事な話だし、興味深かったです。

「正確さ」と「わかりやすさ」の両立はやっぱり難しいなと思う。特に科学者は「正確に伝えたい」という思い(習性?)があるので、なかなか正確さを諦めきれないんですね。竹内さんの講演の「科学ニュースを1つ選んでキャッチフレーズを考える」訓練の話で、例えば先月のNASAの惑星発見ニュースに関して「40光年先に生命?」というキャッチフレーズ。正確には「40光年」ではないし「水があるかも?」くらいだけど、でも視聴者の層考えたらこれで十分だし、「?」がついてるから嘘ではない(笑)と。まぁ、これくらい割り切らないと、何も伝えられないのかもしれません。

とはいえ、わかりやすくするために「この技術を応用すれば○○が実現できるかも」なんて話をすると、後半の話ばっかり伝わってしまうのもまた事実。そんなニュースが報道されると「すごい」て思ってもらえるけど、実際以上に実現が近いと思われてしまって、「○○できるなんて話があったけど、全然サービスとか始まんないよね」なんて言われてしまって、それで結局信頼性が落ちてしまうのも何だかなぁ、と思います。
難しい。

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