決め方

「決め方」の経済学―――「みんなの意見のまとめ方」を科学する定時で帰って夕飯作るときはいつもTOKYO FMのTIME LINEを聴いてるのですが、その中の「まえがきは謳う」というコーナーで紹介されていた本。確かその場で予約したのですが、ちょっと順番待ちがあってまわってきたのが2週間前くらい。こないだ読んだ「心配学」とほとんど同時にまわってきた。

内容はまぁ、タイトル通り。期待通りの面白さ。数式はほとんど出てこないけど、きちんと説明されてて物足りなさはそんなに感じませんでした。
面白かったのは、オストロゴルスキーのパラドックスという「直接選挙(政策を選ぶ選挙)と間接選挙(政党を選ぶ選挙)で結果が正反対になる」というお話。直接選挙、間接選挙という言い方がピンとこなかったのですが、

政党AとBがあるとしよう。選挙で争点となるテーマは3つ、「金融」「外交」「原発」だ。各テーマについて政党AとBはそれぞれ政策を掲げている。有権者はこれら3つのテーマを同程度に重視しており、各自の政党への指示は図表1-1のとおりとしよう。例えば有権者1は、金融と外交についてはA党を支持、原発についてはB党を支持、総合評価としてはA党を支持する。

というときに、政策毎に政党を選ぶ選挙が直接選挙、総合評価として政党を選ぶ選挙を間接選挙、と呼ぶようです。図表は省略しますが、この本で出てきた例では間接選挙だと全てのテーマでA党の政策が採られるのに、直接世故だとB党が過半数の支持えを得るのです。面白い。こういうこともあるのか。

あとは多数決にも色々種類があって。1人1票投票して一番多いものを選ぶという普通の単純多数決の他に、「1位に3点、2位に2点、3位に1点」と順位に配点するボンダルールという決め方もある。あと、総当たり戦方式とか、決戦投票方式とか。それぞれ特色があるわけですが(単純多数決だと票割れが起きるとか)、この全てで結果が変わるということもありえるわけで…じゃあ、どの方法が一番民主的なのでしょう? そもそも民主的とは? なんて話。

ボルダルールは、有権者の意志をよりよく反映する手続きとして優れているが、そのことは、起こる結果が善悪の観点から優れていることを意味しない。

と。そうなんですよね。だから難しい…。

子供の頃、多数決で決める場合は「多数決で決める」てことを全員で合意してからじゃないといけない、とどこかで習いましたが「多数決の3つの使用条件」というのがあるそうで。

陪審定理で多数決を正当化できるための条件をまとめておこう。
1. 多数決で決める対象に、皆に共通の目標がある。
2. 有権者の判断が正しい確率pは、0.5より高い。
3. 有権者は各自で判断する。ボスに従ったり、空気に流されたり、「勝ち馬」に乗ろうとしない。

「皆に共通の目標がある」てのが大事ですね。だから「○○さんをいじめてよい」というのを多数決で決めてはいけない。とか。

過去のアメリカ大統領選に関する考察…選挙方法が違ったら結果はどうなってたとか、も面白かった。リンカーンが当選したときや、ブッシュvsゴアの選挙など。

こういうお話は社会選択理論というらしい。とっても面白いです。
著者が書いた他の本があとがきに紹介されていたので、こちらも読んでみようかな。

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