「学力」の経済学なんと昨年10月に図書館で予約した本…なのでまわってくるのに実に8ヶ月。予約したことすら忘れかけてました。興味本位で今の予約数見たら200以上…当時何人待ちだったんだろう。200人もいたらこんなに8ヶ月でまわってくるはずないので、もっと少なかったんだろう。良かった。
ぎっしり文字の積まった本でもないのでさらっとほぼ週末の移動時間だけで読み終えてしまいました。

教育経済学というのは初めて聞きました。要はきちんとしたエビデンスをもとに教育について語りましょう、というお話。こないだ読んだ「「日本人と英語」の社会学」と趣旨が似てるかもしれない。

この手の本には必ず書かれている、相関関係と因果関係の話から。

バウマイスター教授らは、自尊心と学力の関係はあくまで相関関係にすぎず、
因果関係は逆である、つまり学力が高いという「原因」が、自尊心が高いという
「結果」をもたらしているのだと結論づけたのです。

更に

悪い成績を取った学生に対して自尊心を高めるような介入を行うと、悪い成績を
取ったという事実を反省する機会を奪うだけでなく、自分に対して根拠のない
自信を持った人にしてしまうのです。

だから「褒めて伸ばす」は良くないらしい。なるほど。
いつか子供を育てることになったらまた読みたい本。

人々は「教育段階が高くなればなるほど教育の収益率は高くなる」と信じている
ようです。つまり、子どもの成功のためには、小学校よりも中学校、中学校より
も高校、高校よりも大学や大学院の、学齢が上がるほどかけるお金や時間を増や
すべきだと。

え?確かに学齢が上がるほど学費は上がるだろうけど、重要度は逆でしょ? 小学校でつまづいたらその先ずっとつまづきっぱなしになっちゃうんだから。
と思ったら、実際その通りで「もっとも収益率が高いのは、子どもが小学校に入学する前の就学前教育(幼児教育)」だそう。まぁ、ここでいうコストは学費など勉強に関する投資だけでなく、人的資本への投資。しつけや体力や健康などの支出も含む、というところがミソでしょうか。
「就学前教育に一番投資すべき」なんて聞くとギョっとしますが、こう言われると納得ですね。

あとは、誤った「平等教育」の弊害や教員免許についてなどなど、色んな教育の仕組みに関して色んなデータを使って示されていて、とても面白い本でした。
日本の教育政策がエビデンスに基づいていない非効率なやり方であることがこの本で何度も書かれていますが、早くエビデンスに基づいた教育政策をするようになって欲しいものです。
こういう本が話題になるってことは良いことだと思う。こういう考え方が広まりますように。
…なんて思っているだけでは駄目なのでしょうけど。

それにしても経済学という学問は本当に多岐に渡りますね。「ヤバい経済学」も経済学だもんなぁ。
高校生の頃「経済学部もいいな」と数学好きだったので思ったものですが、そのとき知ってた経済って政治経済の授業で習う経済。こういう経済学もあるんだ、と最近知って、また経済学に興味を持ち始めてきた今日この頃。