音にはやっぱり興味があるのでこんなタイトルの本見かけたら読みたくなってしまいます。図書館の新刊案内で見付けて予約。
タイトル通り、広告でいかに効果的に音を使うか?という話が筆者の手掛けてきた仕事の紹介と共に綴られてます。と言ってもそれだけではなく、最初は音の持つ力がどれだけ強力かという話だし、最後は個人の生活にどうやって音の効果を利用するか?という話。別に宣伝担当の人じゃなくたって楽しめる本です。
「お」と思った部分をいくつか抜粋。
例えば、脳が反応するまでの時間。
聴覚 0.146秒 触覚 0.149秒 視覚 0.189秒 味覚 0.5秒 嗅覚 0.5秒
直感的には音は対象を見たり触ったりしなくても感じれるから効果的なのかな?と思いますが、時間もこんなにも違うんですね。味覚が0.5秒というのは意外と遅い 一緒に載ってたデータには、一流陸上選手が号砲に反応する時間は0.085秒とありました。↑の数字と比較すると短いけど(脳を経由してないから)、短距離は0.01秒単位で競ってることを考えると、結構長い。短距離選手は音じゃなくて銃口から出る煙を見るという話を聞いたことがありますが、光の方が速いけど視覚の方が伝わるの遅いっぽい。それに姿勢的にも銃口見るのは無理がありそう…。
他にもあって、マンチェスター大学の(共同)研究で雑音が味覚に与える影響を調べた結果。
自分の好みのBGMがかかっているとき、料理はふだんよりも美味しく感じることが わかった。しかし、80デシベルの白色雑音を流すと、風味や塩気、甘さに対する 味覚が鈍くなることも判明した。
これだけだと「そりゃそうだろうな」という感じですが、その後に
- 80デシベルの白色雑音のもとでは、歯ごたえに敏感になることが判明。
- 機内食が味気なく感じる原因の1つは、単調な低音の、飛行機のエンジン音。
なんて話があると「おぉ、なるほど」と思えるのです。
あと、
アップテンポの曲よりもスローテンポの曲を流したほうが、スーパーマーケット の売上が、38%増加したという。
とか。
あと耳が痛くなる話…。
スピーチに対する評価の2-3%は話し方が占め、話の中身は全体の11%にすぎないと いう結果であった。 もしこの比率が正しいとすると、面接での更に対する評価は50%以上が声のトーン や話し方に基づいたもので、アイデアや経験は半分にも満たなかったことになる。
…この「2-3%」は誤植ではないかという気がしますが。
とにかく、話し方が大事という話。低く抑揚のない声で話す私には本当に耳が痛い。常にテンション上げめで話す必要はないけど、時と場合によってはきちんと気をつけないとな、と思ったのでした。
だいぶ話があちこち飛んでますが。最後にもう1つ。
サウンドマーケティングの話では「音を利用せよ」というメッセージの他に「品質よりも体験が大事」というメッセージが印象的でした。
AT&Tやスーパーボウル、ディズニーワールドなどなど色んな話が出てきて面白い。ただ、数々のCMが紹介されるけど、日本ではやってないCMなわけで…これがわからないのがちょっともどかしかったです。しょうがないですが。