ステマネ

「マエストロ、時間です」~サントリーホール ステージマネージャー物語~最近読んだ本の話と行ったコンサートの話しか書いてないような。

来月改訂版が出るそうで宣伝を見掛けて。「面白そうだな」とぐぐったら「※本書は2001年刊『マエストロ、時間です~サントリーホール ステージマネージャー物語~』を加筆、再編集したものです。」とのこと。それなら2001年刊のを読めばいいや、とその場で図書館で予約して借りた本。面白くって面白くってあっという間に読み終えてしまいました。
色んなマエストロや演奏会のエピソード、クラシック音楽好きにはたまらない話ばかり。昔の苦労話などもとても楽しめました。

近衛先生の話まで出てくるとは…すごい。近衛さんのことは実はあまり知らなかったのですが、秋にNHKで放送されたこの番組で知りました。
[bm url=”http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3599/2035051/index.html” description=”元首相・近衛文麿の弟であり、同盟国の客人としてナチスからも活動を許されていた秀麿の水面下での知られざる活動。それは、戦後、連合国側の取り調べから明らかになった。今回番組では、アメリカ公文書館で見つかった調書や、秀麿を知る関係者の証言を通じて、ユダヤ人演奏家たちの亡命を助けていた実態や音楽に身をささげたその個性を描き出す。”]NHKドキュメンタリー – プレミアムカフェ 戦火のマエストロ 近衛秀麿~ユダヤ人の命を救った音楽家~[/bm]
この番組からは「すごい家柄の出身だけど、それを捨てて苦労した人」なイメージを受けていたのですが、この本の後半の対談ではでは「殿様ですから橋より重いものは持たない。スコアの入ってる鞄くらいは持って歩いたと思いますけど」と語られていて(上原正二さん談)。あれ?そうだったのか、などと思ったり。

現代曲で木魚とか出てくるけど、あれって音程どうしてるんだろ?と前々から謎だったのですが、その話も。

宮崎「そもそも楽器ではない。本来が宗教の用具で、尺とか五寸の梵鐘、五寸の木魚、一尺の木魚とか、そういうのはあるわけですよ。それをCだDだって書かれて音符にのせられると、その音を用意しなければならない。」
上原「その音を探すのはえらいことですよ。田原町に岡田屋という、楽器屋さんじゃなぬて、仏具とかのお店で。」
~中略~
宮崎「音叉を持ってってね」
上原「われわれ、専門的な音楽教育は受けてなくて、ただ好きだというだけでやっているから、多分こがCだろう」

というわけで、ステマネが探すらしい…大変だこれは。

他にも豆知識系(?)では、第九の合唱にアマチュアを使うのはチケットを買ってくれるからだとか、ブルックナーやマーラーの大曲一曲プロでは指揮者に1楽章と2楽章の間を少し長めに取ってくれるようお願いするだとか(忘れられちゃうこともあるらしいけど)。
とにかく楽しい話盛り沢山でした。
最後のサントリーホールのステマネ3代対談もとても面白かった。

続編出て欲しいなぁ。出ないかなぁ。
あるいは他のステマネさんや、プロオケの裏方さんの話とかも、読んでみたい。そういう本あるかな。

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