時間医学(2)

昨日に引き続き、放送大学にて時間医学の授業です。
今日1日は久智行先生の授業です。
随分自由な先生で休憩時間がだいぶイレギュラー。でもお陰でトイレが空いてて良かったかも?

1限: 睡眠のお話

  • 睡眠の定義は実は曖昧。睡眠の本来の読みは「すいめん」
  • (身体が眠る)レム睡眠も、(脳が眠る)ノンレム睡眠もどっちも必要。
  • 10時間以上寝る人の平均余命が短いという話があるが、相関があるだけで因果関係は不明。
  • 現実の眠気 = 眠気 - 生体時計からの覚醒信号
    徹夜明け眠くないのは覚醒信号の作用。

まだ授業始まって50分ほどでしたが、一旦休憩。

2限

4年前に行った公開講座「生命は時空を超える」の紹介

  • なぜ生物は優生生殖するのか? 無性生殖よりコストが高いし、二倍体になれば良いだけなので遺伝子コピーミスの修復のためとも考えられない。
  • がんについて。不死化(細胞が分裂永続性獲得)は、がんの要件のひとつ。
    死なないで増えるだけなので抗がん剤で増えるのを止める。しかしこれによって赤血球や皮膚など増えるべきもの(入れ替わるべきもの)も増えなくなってしまうので困る。

なんて話があった後、時間生物学の話題。

  • 35億年前。藍藻は光合成と窒素固定を行う必要があったが、窒素固定に必要な酵素が酸素で障害を受けるため、同時にすることはできなかった。そこで光合成は昼にしかやらないので、窒素固定は夜間行って、時間帯で分けていた。
    → 現代藍藻類で実験すると、連続明条件でも窒素固定の概日周期が持続する。(時計による制御)
  • 時間の光による同調

時計遺伝子だけど日内変動が明らかでない遺伝子もあるそうで…それって時計遺伝子って呼んでいいの?でもそもそも時計遺伝子の定義自体曖昧だからいいらしい。なんだそれ…。

午前の部は15分くらい早く終了。午後の授業は10分前倒しで開始。

3限: 時間生物学 & 時間栄養学

時間生物学の続きから。

  • 中枢性時計遺伝子は主に4グループ: クロック、サイクル、ピリオド、タイムレス。
    (哺乳類では、クロック、Bmal、ピリオド、クリプトクローム。先に別名がついていたので名前が異なる)
    中枢性時計は脳に在る体内時計。
  • しかし、生物は受精卵という1つの細胞から発生し、それが分裂して総ての細胞を作るので、総ての体細胞は同じ遺伝子をもっているはず。
    → 従って、体内時計を司る遺伝子は脳以外にも存在するはず
    → 実際に、末梢型時計遺伝子が発見された。(血管にもある)
    → 心筋梗塞が早朝に多いのはこれが関係している?

そして時間栄養学。

  • エネルギー摂取量が少ないにも関わらず肥満。→時間が関係している
    摂食 → インスリン上昇 → ピリオド蛋白上昇
  • 高血圧の食塩制限:血中アルドステロン高値となる朝~昼に制限するのが一般的。
  • 副腎皮質ホルモンの話。睡眠不足になると上昇し、血圧も上昇する。そして、
    通常、 摂食 → レプチン↑ → 食欲↓ となるはずが、
    睡眠不足になると、 摂食 → レプチン上がらず → 食欲下がらず → 肥満 となる。

そして再び睡眠の話も。メラトニンの話、かな。

  • メラトニンは夜up → 睡眠誘発 → 体温低下 → 睡眠誘発。
    夜に光を浴びるとメラトニン増加がなくなる。波長484nm(青色)がメラトニン抑制。
  • 眼前の電球
    昼光色 (色温度5000K) 夜のメラトニン分泌増を抑制
    電球色 (色温度2800K) 夜のメラトニン分泌増を抑制しない
  • 昼に光を浴びることは、夜のメラトニン分泌増をもたらす。
    これを利用して高齢者の不眠症改善など。
  • 時差1日1時間は修正可。東行きは入眠困難、西行きは早期覚醒(こっちの方が楽)。

4限

は、こんな風に研究進めています、というお話。ちょっと駆け足過ぎてついてけなかった…。
だいぶ長くなったので、ここは省略で。

そして予定より30分近く早く終了…。


雑談として、小保方さんの話、笹井先生の話が出たり。
自分で手動かしてれば絶対気付く間違いがFig.1にあったとか何とか…。
あと、面接授業の時給は4,500円で、受講人数増えても変わらない (ので受講人数を減らした)、とか…。
産業医という資格ができた経緯とか…。
放送大学の主な目的は、普通大学に入れなかった人の大卒資格取得、定年過ぎた人の生涯学習、30-40代のキャリアアップ、という感じ。
とかとか、色んな話が出てきました。

シラバスで時間医学の話はたぶん半分くらい?
残った半分の内、生物っぽい話と雑談が半々くらいだろうか…いや、もっと雑談多かったかな…。
でも大嫌いだった生物も、今こうして日常生活と関連させた話聴くととっても面白いんですね。生物学に興味持てたのが一番の収穫だったかもしれません。

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