ブラームス

ブラームス (作曲家・人と作品シリーズ)何冊か音楽史の本を読んで、今度は一人の作曲家のお話が読みたいなぁ…と図書館で作曲家の名前の並ぶ本棚へ。まず手に取ったのがブラームスでした。そんなに深く考えていなかったのですが、今思えば、もっと昔の人から始めて順々に時代を進めた方が良かったかもしれません。
作曲家の生い立ちなんてほとんど知らなくて、作曲の経緯もプログラムノートで知るくらい。それでもブラームスとシューマン家が関係深いことはさすがに知ってましたが…。私はほとんど管弦楽しか聴かないので、ブラームスの曲では交響曲4曲、Pf協奏曲2曲、Vn協奏曲、二重協奏曲、Hydon Variation、序曲2曲、くらいしか知らず…しかし読んでいると、ピアノ曲、声楽曲、室内楽、の方がたくさん登場するんですね。特にピアノと声楽の曲を聴かないことには、ブラームス知ってるとは言えないのではないか、などと思いました。今度聴いてみよう。

それにしても音楽史を読んでいて最も興奮するのは、やはり大作曲家同士のコミュニケーション。リストと対立関係にあったとか、ドヴォルザークとの出会ったこととか、チャイコフスキーの交響曲5番の初演を聴き、演奏会後2人で飲んだとか、実は「自分はワグネリアンかも」なんて言っちゃうくらいワーグナーにはまった時期があったとか(でも後に離れちゃいますが)、マーラーが面会に来たとか、ヨハン・シュトラウスの別荘にしばしば訪れていたとか、もうどの話も大興奮です。ブルックナーも同じ時代だったんですね。自分がいかにどの時代にどの作曲家が生きていたとか知らないことがわかる。

交響曲第1番は構想から完成までに随分かかったと、知識としては知っていましたが、こうやって本として生涯を眺めると、その長さを実感します。ほんとに序盤の方で登場するのです、交響曲1番。で、ずーっと、ずーっと読み進めて、やっと完成!というところ読んだときは「あぁ、ついに」と思わずにいられません。そして、1番がこんなにかかったのに対して、残りはすいすい作曲された印象。

それにしてもクララの訃報を聞いたとき、すぐにフランクフルトに向かったのに、茫然自失だったために列車間違えて、各駅停車でやっと着いたら、クララの遺骸は既に夫シューマンの眠るボンに埋葬するために回送されていた…という話、もう可哀想でなりませんでした。埋葬の場には駆け付けることができたようで…良かった。

そう、晩年素晴しいクラリネット吹き(ミュールフェルト)に出会って、引退を決意していたのにも関わらず、創作意欲を刺激されクラリネットのための曲を何曲も書いたというお話。本当に羨ましい。出会ったのがフルート吹きだったらフルートの曲を何曲も書いていたのだろうか…。

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